わんこの皮膚は人の皮膚の3分の1の薄さといわれており、非常に薄くデリケートだから皮膚トラブルになることは少なくありません。
皮膚がデリケートな子や皮膚バリアが弱っている子に汚れをしっかりと落とすシャンプーを使用してしまうと、さらに皮膚にダメージを与えてしまうので余計に皮膚の状態が悪化してしまうということになりかねません。
だからこそ、シャンプー選びというのは慎重に行わなければいけません。
トリミングをする上でシャンプーはとても重要で、プードルちゃんなどのカット犬種はカットの仕上がりを左右するとても重要なものです。
シャンプーの種類や洗い方によって本当に全く別の仕上がりになるくらいに重要なものになります。
ただ、汚れをしっかり落とすシャンプーはカットの仕上がりが綺麗になる一方、デメリットは刺激が強くなるので皮膚へのダメージが強くなってしまいます。
反対に低刺激の皮膚への優しいシャンプーは優しく洗い上げる一方で、汚れを全て落としきることができないので、カットの仕上がりが少し下がってしまいます。
トリマーとしては皮膚に優しくありたいと思う一方で、カットの仕上がりも高いものでありたいと思っており、カットの仕上がりと皮膚への優しさというバランスをどう取るかという部分は常に葛藤があります。
犬の皮膚科専門医のセミナーなども数多く参加してきましたが、皮膚にとってシャンプー・保湿・食べ物という3つが重要になるようです。
その中で皮膚バリアという言葉が印象的で、皮膚が健康的な状態のわんこなら皮膚バリアが正常に働いているから、ある程度の体外的な刺激に関して体を守ることができるのに対して、皮膚バリアが弱っているわんこに関しては体外的な刺激から体を守ることができなくなってしまいます。
皮膚バリアが弱っている子に対して刺激の強いシャンプーを使ってしまうと、やはり皮膚トラブルの原因になってしまうものの、皮膚バリアが正常に働いていればある程度刺激の強いシャンプーでも体を守ることはできるようです。
ただ、どちらにしてもシャンプーをするということで、皮膚がシャンプー前の正常な状態に戻るまでは1週間程度かかるため、保湿が重要になってきます。
保湿をすることで元の正常な皮膚の状態に戻すまでの時間を短縮することができるので、皮膚へのダメージを最小限に抑えることができます。
フリージアではシャンプー後は全頭保湿を実施しており、シャンプーをしたとしても皮膚へのダメージを最小限に抑えるようにしています。
また、カットをするわんこで皮膚が健康的な子は獣医師が推奨しているアミノ酸系の皮膚に優しい低刺激のシャンプーと汚れを落とすタイプのシャンプーを2種類使っていて、1回目はアミノ酸系の低刺激シャンプー、2回目は汚れをしっかり落とすタイプのシャンプー、3回目はアミノ酸系の低刺激のシャンプーを行ったあとに全身保湿を行っています。
皮膚がデリケートな子やシャンプーのみの場合は、全てアミノ酸系の低刺激シャンプーと全身保湿のみとなります。
上記の方法にしてから今までシャンプー・ブローでトリマーの手荒れが酷かったのが自然とツルツルの手になっていて、シャンプーの与えるダメージというの少なくないのだと感じています。
皮膚への優しさを考慮しつつ、カットの仕上がりも満足行くものを目指すという部分では現時点では非常にバランスが取れている方法になっています。
皮膚がデリケートな子で長く動物病院に通ったものの一向に改善する気配がない場合、セカンドオピニオンで皮膚科があったり皮膚にも詳しい動物病院に一度行かれることをオススメしております。
人であれば各専門家の先生に診てもらうことができますが、獣医師は人と違い1人で犬猫の病気全般を診る必要があります。
皮膚に関する知識は先生によっても変わってくるところではあるので、もし長期的に同じ治療法で対処療法のみの場合は一度セカンドオピニオンで診てもらうことも検討されてみてください。
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